俘虜を見て
写真は、『写真週報』という内閣情報局が戦時中に発行していたプロパガンダ雑誌からのものだ。
昭和17年3月25日発行の213号である。
当時日本は、大東亜戦争から3ヶ月あまりで、シンガポールを陥落させた。
写真は、敵であるイギリス、オーストラリア、インドの兵隊を俘虜(捕虜だが雑誌では俘虜としている)にしている様子だ。
俘虜の数、実に21万人だそうだ。
ここに書いてある国民性の表記が面白い。
「わが身に危険が及ぶと見栄も外聞もなく即座に武器を捨てヽ、わが軍門に降ったのだ。・・・
何といふ恥なき姿だらう。皇軍将兵は勿論、われわれ日本人には到底思ひも及ばないことだ。
恥知らず奴!
と唾を吐きかける前に、憐憫の哀れさへ湧いてくる。」
ここには、当時の日本人、というかプロパガンダをやっている役人の日本人観が見て取れる。
敵の俘虜を獲った事で、余裕しゃくしゃくでこう語っている。
ところが、当時の日本人は謙虚さも持っている。
「・・・だが、顧みて未だにこの人間共を支配したと同じやうな物の見方、考へ方がわれわれの心の隅のどこかに残ってゐはしまいか。 一死國に殉ずる皇軍将兵の尊厳な姿と、この醜い写真を見比べて十分反省しなければならない。」
・・・と日本人がこういう俘虜と同じような思想になることを戒めている。
各国俘虜への独断と偏見
雑誌には、この写真から、各国の兵士について、
独断と偏見でこう断定している。
インド兵
俘虜になってかえって喜んでいる
オーストラリア兵
早く故郷に帰ってうまい酒でも飲みたいと思っている
イギリス兵
中には屈辱を感じてゐる者もゐるかも知れない
・・・と断定している。
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