「ゑ」:自動詞と他動詞ちなみにワープロの文字変換では、かろうじて生き残っている。 「WI」と打つと、「ゐ」、「ヰ」が 「WE」と打つと、「ゑ」、「ヱ」が 変換候補として表示される。 わたしはこのことを高校時代に英語の先生から教えられた。 国語の先生でないところが、意外で今でも憶えているのだ。 それは、自動詞と他動詞の区別ということで教えられた。 先生がおっしゃるには、 ・・・・ 皆さんは、座るという動詞を知っている。これは、自らが「座る」ことで これを自動詞という。自分を自分で座らせることだ。 反対に自分が他の目的物を座らせることをなんと言うか? 「座らせる」という言葉で正解だが、それは語彙の貧困である。 正確には、「据える」である。 それでも、言葉が退化しているという。発音である。 「座る」の自動詞に対する他動詞が「据える」である。 つまり、音に直すと 「SU・WA・RU」に対する言葉は、「SU・WE・RU」 にならなければおかしいという。 そういって、その英語の先生は、「SUWERU」と発音してみせた。 「スウェル」である。それの退化形がスエルなのだと。 外来語外来語についてもこの言葉の退化は言える。 明治以降、旧仮名遣いが生きていた頃は、できるだけ外来語の発音に忠実に 表記をしてきた。 現代でも、「V」の発音については、まだ、 「ヴ」ァイオリンとかの表記は残っているが、 ヰ(WI)とヱ(WE)については、仮名文字自体を排除したため もうWの音が微妙に入る発音の表記をすることができない。 ウヱハース 1902年に創業したという資生堂パーラーでは、 おそらくその伝説の銘菓アイスクリームの隣にはウェハースではなく、ウヱハースが鎮座していたに違いない。 ウヰスキー 先頃、アサヒビールの子会社になってしまった、 ニッカウヰスキーのホームページ を見てみると、固有名詞である「ニッカウヰスキー」に「ヰ」は残しているものの、 普通名詞については「ウイスキー」の表記にしているようである。 ちなみに、わたしは、ニッカの語源を日華事変の時に設立されたからだろうと思っていたが、 違っていた。 ニッカは元の社名を大日本果汁といってもともとリンゴジュースの会社だったんだそうだ。 それが、「日果」→ニッカになったらしい。 という意味では 稲垣吾郎がCMをやっていた、ニッカシードルは先祖帰りか? 「を」と「お」もうひとつわたしにとって意外だったことがある。 「を」の扱いだ。 「を」は目的語の後ろに付くしかなく、使用頻度は多いが、それ自体が単語になることがない特殊な文字だ。 これを皆さんどう発音されるか? わたしは明確に「WO」(しいて表記すれば、「ウォ」)と発音する。 70年代、まだわたしが高校生で九州にいた頃、 テレビの「欽ちゃんのどんといってみよう」という番組で、 当時人気絶頂だった萩本欽一とクールファイブ時代の前川清がコントをやっていた。 「を」と書いたパネルを前川清が「WO(ウォ)」と発音するので 欽ちゃんが、「ウォって何よ!オでしょ。」と突っ込んで笑いをとっていた。 ご存知のように、萩本欽一生粋の東京人であり、当時前川清は長崎から上京して間もない 九州男児である。 でも残念ながら、東京人の発音は間違いで九州で発音している「WO」が絶対に正しい発音なのだ。 上京してきて、「を」を「O(オ)」と発音するというのは、 東京育ちのいとこの女の子もそうであったので、 いささかショックを受けた。 標準語の方が九州方言より使うのが長くなったわたしは、 今でも「を」を単独で発音するときは「WO」と発音するように努めている。 |
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