育島「オレは慎太邸と刺しちがえる…」 石原「青島幸男は不勉強だ」 ○青島語録 慎太郎について 「オレは、慎太郎が議員でありつづけるかぎり刺しちがえる 覚悟でやっているよ。」 ●石原語録 青島について 「勉強しなきゃダメですよ。少なくとも青島幸男は不勉強だ。政策がなくてもいいなんて、パカなこといって。政治という社 会科学の方法論の中に入るんだから、それなりの勉強しなきゃ。 ただ出てきた(法案などの)ものの、いい悪いを決めてきゃいいなんていうことじゃない。 参議院の議員に政策はないほうがいいんだなんて、どんでもない話ですよ」 青島幸男氏は昭和7年7月17目生うまれ。 石原慎太郎氏は昭和7年9月30目生まれ。 片や議員から直木賞作家、片や芥川賞作家から議員と逆コースというだけでなく、 同じ世代というのに、ちがえぱちがうもの。 青鳥サンは東京日本橋生まれで、子供の頃から落語好きなら、 慎太郎サンは神戸生まれで、海軍士官や外交官に、憧れた。 青島サンは私学の早大(商学部)なら、 慎太郎サンは国立の一橋大(杜会学部)卒。 青島サンは早大在学中に結核を病んで療養中に漫才の台本を投稿して認められ、 34年頃から作詞で活躍(代表作は植木等の”スーダラ節”、 37年に「青島だア」とゆがんだ顔でプラウン管に登場したテレビ人間。 慎太邸サンはスポーツマンで湘南派の先駆者で、 在学中に『太陽の季節』で芥川賞受賞。 主人公のモデルは弟の裕次郎だという説があるが、 ベニスで障子を破るパワーは、爆発する健康な青春のシンポルだった。 青島さんは司会者、放送作家から映画監督までやり、 慎太郎さんも映画、演劇をやったが、むしろ肉体スポーツ派で、 国際外洋ヨットレースなどを好む。 青島幸男・・・昭和43年、参議院全国区で、第2位で初当選。二院クラブ所属。 石原慎太郎・・・昭和43年、参議院から立候補して青島の後、自民党タカ派の青嵐会をつくる。 なにしろ「サシチガエル」とおっしゃるほどで、水と油。 対談どころか闘論も不可能。そこでこれまでの発言を比較、 オトコの信条、政治、感性、おんな、人生観を研究したいと思うわけなのです。 人間ってこうもちがうものなんデス! * <イデオロギー> 青島「いちばん簡単なのは、革命の手段としてね…。 国会の開かれるときに、開会式があるでしょう。 あそこに大爆弾を仕かけて一挙に壊減させちゃえぱ 革命は即翌日から成り立つわ。 オレだけは逃げのびる。次期内閣の首班になりますよ。 これですよ、大勲章」 石原「人間は非常にエゴイスティックになっているでしょう。 そういうことに徹すれば、自分の欲望を中心にした生き方になると思うんです。 なにかその上社会理念、人間が理念を考えたとき…… 進歩的なイデオロギーにひかれて行くのは当然だと思うんです」 * <政治について> 青島「政治っていうのは、だいたい私は下品なもんだと思っているから、 政治的な野心なんてまったく皆無ですよ」 石原「現代じゃ社会工学の中で、政治はなんといったって、いちばん規制力がある。 現実に、いまの独断政治でもわれわれの生活を強く規制していながら、 なんか政治が不在であるような印象を与えている。 ほんとうに国民が、政治に肌を許すわけにはいかないという感じがする」 このあたりは、放送コント作家VS一橋大社会学部の対立。 <戦争について> 青島「おれ、子供のとき家に帰ったら誰もいなかったんで、戻って来たオフクロに、 オヤジに赤紙が来たと言ったんだ。 えらく怒られたよ、言っていい冗談と悪い冗談があるって。 一家の中心が赤紙一枚で戦地に狩りだされるっていうことが、 どんなに恐れられていたかが、そんなときよくわかった」 石原「広島で”もう誤ちはくり返しません。”と、 日本人自身がいうのはおかしなことでね。 あれをいうべき場所があるとすれぱ水俣しかないよ。 日本の原爆とまではいわないけれど、高度成長の中で荒廃し、自壊した記念碑でね」 石原氏の後半の部分はおもしろい。いま、自民党の圧力か、圧力を感じて自粛した文部省の判断か、 教科書から”チッソ"という社名が消えて問題になっている。 石原氏はまごうことなきタカ派だが、元環境庁長官として、いうべきことはいってたんだなア。 * <自民党ってなんだ?> 青島「いくらおれがケンカを売っても(自民党は)買わない。 自民党のバカヤロウ、懲罰にかけられるもんならやってみろっていったってダメ。 サァ殺せってケツまくっても、のってこない。 しょうがないから、またズボンはいて歩くんだ」 サシチガエルの、ケツまくるのと、青島さん、威勢がよろしい。 でもまあ、自民党議員に女好きは多いと聞いてるがホモはいないようだから仕方がない。 石原「ぼくは自民党を敵とも思わないし、味方とも思わない。 やっぱり政治のひとつの方法でしかない」 たぶん芥川賞をとるのも、作家のひとつの方法でしかない。 芥川賞の賞金ただいま50万円。インフレ率はもっとも低い。 次は、少し、軟派なもので・・・? * <性教育論> 青島「小学校のころから、男と女の交わり方を知っていたけど、 初めて女に接したときは、やっぱりドキドキしたよね。 だから知識どトキメキは別のことだと考えて、知識を将っているほうが悲劇が少ないとすれば、 知らしむべきだという設に、最近、変わりました。」 青島幸男を厚生大臣か文部大臣に育てよう。 石原「(今の)セックスは着たり脱いだりするポロシャツみたいになってるけど、 もともと性は秘儀的なところがあって、セレモニアスなものがあるところで高揚がある。 そういう官能を高揚させる要件みたいなものが少なくなってきているところに、 性の衰弱がある」 近頃、押し倒すのは男子中学生。 高校になると、そーっと抱きしめて「いい?」なんていうんだと。 それにしてもセレモニアス・セックスじゃない感じ。 * <男の愉悦> 青島「家へ帰ると、女房に女の話して、女に会ってるときは女房の自慢して、オレ、楽しんじゃうんだ。 女とつきあっても、なんにもしないで帰っちゃうなんて、ずいぶんあると。 押し倒しても寝りゃあいいってんじゃないんだ、オレは」 石原「(くつ)ヒモを締めるでしょ。締めるとアキレス腱がキュッと締まるんです。 ぼくのほうの学校なんか、タタキがコンクリートで、革のスパイクの音がカッカッと鳴って、 なんともいえませんね」 <妻というもの> 青島「たとえぱ夜、うちで子供たちとトランプやっているとするね。 こっちは酒飲みながら、テレビをチラチラ見たりして、非常にいい雰囲気だ。 そこへ女から電誌がかかってくる。 『ドコドコで飲んでるから来ない?』というわけ。 当然、カミさんはふくれるね。(中略)こっちも辛いけどね。 まあ、インチキのし放題して、いるわけだ。オレは家では」 石原「新婚旅行に行って、ふたりで陽のさす坂道を歩いていたとき、 彼女のストッキングがずれてね、それをなおして後ろから小走りで追いかけて来たとき (注=待ってあげない人なのです)、その足音になんとなく『ゾッ!』としたね。 『この女と一生いっしょにいるのかなア』と思ったからさ。 誰でも、そういうものがあるんじゃないの。男は男の、女は女のエゴイズムで......」 <おんな> 青島「議員をカサにきてね、女を押しひしごうと思ってるんだ」 石原「女の受動性というのは、女のもっとも美しい天性だ。と思うね。 だいたい女というのは、贅沢して豪華に育って行くものでしょう。 しかし、なんというのかなあ、風俗的才女というものの中には、へんに能動的な女がいますよ」 * <オルガスムス> 青島「水虫の痒いような、あれはセックスの快感と似ているんだな」 石原「ノーマン・メイラーの『彼女の時の時』なんか読むと、性交中のオルガスムスが、 人間を本質的に解放する手がかりであるという設定で描かれている。 ぼくは、この設定が生理的にも嘘というか、フィクシャルなものにしか見えない」 * <口説く…> 両者の差、さらにクッキリハッキリ。 青島「女房が病身でとか、親の決めたいいなずけで<その女は愛していないのだとか>、 なんてくどくのは最低だよ、資格ないよ。泣きごといわなきゃモテない男なんて」 石原「現代の恋愛では、どんなことでも真情を持たない人間というのは、一番強い気がするね」 * <くだらないもの> 脅島「バッジは国会へ入るときの通行証と心得ていますからね」 石原「この世の中で、一番ナンセンスなものはネクタイだね。 こんなくだらないものねえよ」 * <国民とは> 青島「イナカモノはパカだよ。あの人は通りすがりにオレにお辞儀をしてくれたから投票する。 そういうセンスはイナカモノだよ」 石原「国民てのは、その政治的なことがら、社会的な事件に対して、 自分の耳で聴き、自分の頭で考える素養というものがないでしょう。 だから、日本にはコンセンサスがない」 ここらは、両者とも似てたりして。だからねえ、コクミンは 政治をプロにまかせたんですぜ。 青島「外国の軍隊が来ても、初めは肩肘はっているけれど、そのうち風紀が乱れて土地の女性たちと、 ナアナアグシャグシャになっちゃう。 それこそ平和をもたらすいちばんの手だてだとわたしは確信しているからね」 石原「いつでも核を持てるんだぞというボテンシャルを持つことは、日本の国際外交のうえで発言力になりますよ」 どちらを取るか?あるいはどちらも取らないか? * <守るべきもの> 青島「殺すというなら、殺されてやろうみたいなところがあるからね」 石原「やはりぼくは、世の中で守るものはぽくしかないね。 自分の存在ほど高貴なものはないじゃないですか。かけがえのない価値って、自分しかない」 * <男の美学> 青島「したいことしたいってことだな。モッサリしてるわりに モテて、モウかるっていうのがぽくの主義なんですよ、三モ主義!」 石原「男とは何か。ぽくはやはり自己犠牲だと思う。そこにしか美しさはないんじゃないか」 おふたりが、国会の廊下でパッタリ会ったらどうなる?双方、空気のごとく無規? <志、こころざし> 青島「わたしは、じつはバカパカしいくらいに自己顕示欲が強いんですよ。 わたし個人がこの世に生きたという証をなんらかの形で残したいという、 やむにやまれぬ、じつに土建屋的大馬鹿根性が非常にあるわけです。 それほど詩的じゃないんだ」 青島(補足)「オレ、ホントはまだ夢があるんだ。 枯れてきたら、大学教授。 いいよう、カッコイイよ。マスコミュニケーシヨンかなんか講義する。名教授だ」 石原「自分が自分らしい人生をすごすために情熱を持つ。 だから、ぽくはそのためにあえて政治をやろうとするわけでね。 それが要するに祖国への志になり、民族、祉会への志になるんだろうと思う。」 * キミの比較検討も済んだと思うが、ダメ押しでもうひとつ」 <人生とは> 青島「大会杜に就職して30年先の退職金が決まっていろような生活なら、 クロスワード・パズルか詰め将棋の恍惚を味わっていたほうがいい」 石原「たとえば食事に行ってね『なに食う?』ってきかれたとき、 『キミと同じでいい』という奴はパカだと思うんだな」 青島氏は、出たとこ勝負の人生をやってきたように見える が、クロスワードにふける恍惚の中年にはならなかった。 青島万事塞翁が馬だったのデス。 一方、石原氏は綴密に計画をたててその男の美学で生きて来た。 こりゃもう、判定は賭場のあの掛け声になるしかないナ。 さあ、ドッチモ、ドーッチモ! ○最後に比較研究されたふたりにコメントを求めたところが、 青島「私は人と比較されるのを好みませんから。」 石原「私は青島とは比較されたくありません」とのことでした。