大作映画成功の条件トロイを見た。 西洋チャンバラは楽しかったし、CGを駆使した大軍団の激突も迫力があった。
こういうスペクタクル巨編が成功するかしないかは わたしは、2つの条件が必要と思っている。
@名俳優を使うことAストーリーがわかりやすいことまず一番目の条件だが、大作映画は仕掛けが壮大なだけに、ともすると、人間が仕掛けの中に埋没してしまう。 パニック映画などでもそうなのだが、古くはチャールトン・ヘストンなど、存在感のある俳優を起用することで、 壮大な仕掛けに人間が負けない映画を作ることができる。 その意味では、ブラッドピットやピーターオトゥールを配置したのはいいことだ。 存在感で舞台の大きさに負けていない。
二番目に挙げたストーリーのわかりやすさについてだが、ストーリーがわかりやすいと見ている側にとって、 感情移入がしやすくなる。 仕掛けが大きいだけに、複雑でわかりにくいストーリーは避けねばならない。 悪党は悪党らしく、善玉は善玉らしくわかりやすくしなければいけない。つまり、忠臣蔵である。勧善懲悪である。
この点、このトロイは失敗しているといわざるを得ない。 トロイとギリシャの描き方が反対である。 このストーリーでは、トロイ=善玉、ギリシャ=悪玉としてしまっていて、 ギリシャ側にくみするアキレスをわかりにくいただの傭兵に落としてしまった。 時代劇で言うと、アキレスを「あっしには関わりの無いことでござんす。」という 木枯し紋次郎的な無頼漢にしてしまった。 これでは、ブラッドピットの演じるアキレスに感情移入ができない。 むしろ、ヘクトルが悲劇の主人公のような中途半端な映画になってしまった。 明らかにストーリーの構築ミスである。 トロイの王子、ヘクトル(エリック・バナ)とパリス(オーランドブルーム)に あんな二枚目で善玉の俳優を使ってはいけない。 ピーターオトゥールとギリシャのアガメムノン王の配役はそのまま入れ替えるべきだ。 わたしにストーリーを作らせて貰えば、こうする。 望ましい配役
トロイは帝国として描く。 巨大な城壁に囲まれたいわば北朝鮮のような絶対主義国家で膨張主義の国である。 一方、ギリシャは都市国家の集合体、直接民主主義の国からなる連合国軍だ。 ある日、トロイのドラ息子パリス(オーランドブルームではなく、もっと卑劣な感じのする俳優さんを使う)が ギリシャとの和平の席で一目ぼれしたヘレンを力ずくで手篭めにしてしまい、トロイへ連れて帰る。 ヘレンはスパルタの王を敬慕しており、自分の囚われたトロイの城塞を呪う。 非道な王子たちは、ヘレンを返して欲しければ、トロイの支配下に入れと交渉する。 まるで、北朝鮮の拉致戦略のような方法で。 義憤を感じたブラッドピット演ずるアキレスは、ギリシャのために立ち上がり、 ギリシャの連合軍は、ピーターオトゥールが率いてトロイの不落の城塞に果敢に挑む。 こうすることで、極悪トロイを攻めるトロイの木馬も、 アキレス腱を射抜かれたアキレスの悲劇も感情移入しやすいものとなる。
忠臣蔵で言うと トロイ王が吉良上野介、アガメムノンが浅野内匠頭、アキレスが大石内蔵助だ。 そういう意味で、トロイのストーリーは忠臣蔵にも負けている。 |
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